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存在感の薄い? 2期生
乃木坂46の2期生は「不遇」とも言われています。
乃木坂46を象徴する白石麻衣さんや西野七瀬さん、齋藤飛鳥さんなどは1期生です。
また、ドラマなどでも活躍している山下美月さん、久保史緒里さん、与田祐希さんなどは3期生。
何度か表題曲のセンターを担っている賀喜遥香さんやnon-noの専属モデルでもある遠藤さくらさんは4期生です。
このような中で、少し存在感の薄いのが2期生と言えるでしょう。
2期生の歴史
乃木坂46の2期生が募集されたのは、1期生がデビューしてから約10か月後、2012年12月から翌年1月にかけてで、同年3月に14名の合格者が決まりました。
ファンに向けてのお披露目は、同年5月に1期生により行われていた舞台「16人のプリンシパルduex」上で、1公演につき1名ずつ紹介されました。
2期生は加入後には正規メンバーではなく、全員研究生として活動を始めました。研究生というのは、メディア等の出演や楽曲への参加などはなく、レッスンやサポートなどを行うメンバーです。
2期生メンバー
伊藤かりん/伊藤純奈/北野日奈子/相楽伊織/佐々木琴子/新内眞衣/鈴木絢音/寺田蘭世/西川七海/堀未央奈/矢田里沙子/山崎怜奈/米徳京花/渡辺みり愛
最初に正規メンバーに昇格したのは堀未央奈さんで、2013年11月に発売された7枚目シングル「バレッタ」でセンターに抜擢され、同時に正規メンバーへと昇格しました。
その後、北野日奈子さんが8枚目、相楽伊織さんが11枚目シングルで選抜入りし正規メンバーに昇格。新内眞衣さんは2014年3月に、伊藤かりんさんは8月にそれぞれ正規メンバーに昇格しました。
西川七海さん、矢田里沙子さん、米徳京花さんの3名は昇格しないまま活動を辞退し、残る伊藤純奈さん、佐々木琴子さん、鈴木絢音さん、寺田蘭世さん、山崎怜奈さん、渡辺みり愛さんの6名は2015年2月22日の「乃木坂46 3RD YEAR BIRTHDAY LIVE」にて昇格が発表されました。
遠かった選抜
1期生にとっては初めての後輩となる2期生が加入したのは、1期生がデビューしてから、まだ約1年ほどしか経っていないころ。
シングルごとに選抜とアンダーへ振り分けられるという1枚目シングルから続く乃木坂46独自のシステムにより、このころのメンバーは切磋琢磨をしつつもピリピリした部分もあった時期であり、1期生にとっては、今のように「後輩を温かく迎え入れる」というよりも、ライバルが増え「焦り」や「負けられない」という意識のほうが大きかったのではないかと思われます。
そんな中、7枚目シングルでいきなり何の実績もない当時研究生であった2期生の堀未央奈さんが表題曲のセンターに抜擢され、それまでセンターになるため、選抜に残るため、または入るために努力してきた1期生の中には納得できないメンバーもいたことでしょう。
続く8枚目シングル「気づいたら片思い」では、北野日奈子さんが選抜入りしたものの、9枚目の「夏のFree&Easy」ではアンダーとなり、再び2期生の選抜メンバーは堀未央奈さん一人となりました。
以降、相楽伊織さんや新内眞衣さんが選抜入りしたものの、選抜メンバーに名を連ねる2期生は一人ないしは二人しかおらず、2期生が加入して約2年半が経った13枚目シングル「今、話したい誰かがいる」では、16人の選抜メンバー全てが1期生となるなど、なかなか選抜メンバーに選ばれるようにはなりませんでした。
7枚目シングルでセンターとなった堀未央奈さんは、その後も2期生のエースとして12枚目、13枚目を除く全てのシングルで選抜となりましたが、2期生で選抜の常連となるのは、12枚目シングル「太陽ノック」で初選抜となり、その後はアンダーとなりましたが、16枚目以降から選抜に定着した新内眞衣さんぐらいで、2期生全14人中選抜経験者は7人しかおらず、3回以上選抜を経験しているのは堀未央奈さん、新内眞衣さん、北野日奈子さん、鈴木絢音さんの4名しかいません。
研究生制度
2期生が加入したころは、乃木坂46がまだまだ名の売れていないころで、その研究生という立場であったことから仕事も少なく、自分をアピールしたり、実力を高める機会や1期生との交流もあまりない中で、正規メンバーや選抜に上がるすべを見つけ出すのは難しい状況でした。
2期生の加入から約3年半後に加入した3期生には、2期生のような研究生制度はなく、オーディション合格後すぐに正規メンバーとなり、デビュー直後から3期生単独ライブや3期生楽曲がシングルのカップリングとして収録されています。
4期生(一部「研修生」制度あり)や5期生も同様であり、研究生の制度がとられたのは、今のところ2期生のみとなっています。2期生全員が正規メンバーに昇格するまでに約2年がかかっていることと比較すると大きな違いで、旬な時期に限りがある女性アイドルの2年は、あまりにも大きな時間と言えます。
なぜこのような研究生の制度がとられたのか真意はわかりませんが、2期生が加入した2013年は、センターの生駒里奈(1期生)さんが少し認知されていた程度だったため、人気のあるメンバー(1期生)を優先してメディアに出し、人気や認知度を高めようとしていた時期でもあり、そこに2期生を加えてしまうと、人気が分散して勢いがなくなってしまうとの思惑があったと思われます。
2期生加入当時は、1期生は33名在籍しており、仕事もそれほど多くない状態で、人員的に不足していることはありませんでしたし、1期生には中学生もおり、若返りや次世代育成を必要としている時期でもなかったはずで、なぜこの時期に2期生を募集したのかはやや疑問が残ります。ひとつ考えられるとすれば、1期生と競わせて奮起を促す役目でしょうか。
1期生に刺激を与えるという意味では思惑通りだったのかもしれませんが、研究生制度があったためか思ったように2期生の人気が伸びなかったのが、後に「不遇」と言われてしまう要因のひとつでしょう。
乃木坂46の人気が高まってから加入した3期生以降と比較するのは酷かもしれませんが、3期生以降は、加入後しばらくは先輩たちと合流する前に、期生単独での活動期間が設けられ、期生単独でのTV番組があったり、期生単独でのライブが行われたりしていますが、2期生は正規メンバーへの昇格時期がバラバラだったこともあり、2期生だけでの活動は少なく、念願であった2期生の単独ライブが行われたのは、加入から7年も後の2020年3月でした。しかも、本来なら代々木第一体育館で行われる予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で、配信サービスSHOWROOMによる無観客配信ライブとなったことも運のなさを象徴しているようです。
2期生楽曲
乃木坂46には、各期別にその期のメンバーのみで歌唱する「期別楽曲」と言われる曲がありますが、2期生楽曲は他の期と比べて曲数自体が少なく「ライブ神」「スカウトマン」「ゴルゴンゾーラ」など、好き嫌いがはっきりと分かれるような癖のある曲が多い印象があります。
そんな2期生曲の中でファンの間で人気となっているのが「アナスターシャ」です。曲というよりもこの曲のMVが人気と言うほうが正しいのかもしれません。
このMVは2期生と初期から関わりのある伊藤衆人監督により撮影されました。
「2期生の旗を掲げる」というテーマで、今までの2期生の歩みが表現されており、伊藤監督の2期生への愛情が感じられます。(コアなファンにしか伝わらないとは思いますが・・)
MV公開後に伊藤監督はtwitterで「アナスターシャは何度でも立ち上がって集まる人たちのMVです。また、絶対、集まって、ライブやりたい」とつづり、メンバーで2期生の北野日奈子さんは投稿アプリ755で
しゅーと監督がとんでもなくすんばらしいMVを作ってくださいました! とんでもなくすんばらしい監督であり、しゅーと監督も2期生の一員です!
と投稿しています。
(乃木坂46OFFICIAL YouTube CHANNEL 「アナスターシャ」)
「不遇」は過去のものへ
全メンバーが研究生から始まり、なかなか選抜にも上がれず、3期生以降の躍進により陰に隠れてしまい「不遇」とも言われてしまう2期生ですが、OL兼任アイドルとして注目されニッポン放送のオールナイトニッポンでパーソナリティを務め人気を上げた新内眞衣さん、選抜未経験ながらもクイズ番組での活躍やTOKYO FM昼の帯番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」のパーソナリティに就任し高評価を得た山崎怜奈さん、将棋に活路を見い出した伊藤かりんさん、卒業後に声優へ転身した佐々木琴子さんなど、魅力的なメンバーが揃っています。
今となっては、1期生と2期生は乃木坂46を初期から作り上げてきた同志のような一塊のイメージで捉えられることも多く、2期生は、すでに全員が卒業しており「不遇」と言われたような過去のことは、昔話として笑って話せる状況になっています。
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