アイドル戦国時代に誕生した乃木坂46
今や女性アイドルグループの頂点に立つ乃木坂46が誕生したのは、アイドル戦国時代とも言われていた2011年です。当時、頂点にいたのはAKB48で、このAKB48の公式ライバルとしてデビューした乃木坂46は、AKB48と同じ秋元康さんプロデュースで、女性の大人数グループというフォーマットも同じであることから、どのように差別化していくかは難しかったと思います。
こんな場所があったのか!
当時の女性アイドルグループの中心だったAKB48やモーニング娘などは、短いスカートのフリフリ衣装で、笑顔全開、元気いっぱいのキャピキャピした感じでした。特に、ライバルであったAKB48は「努力は必ず報われる」の高橋みなみさん(後にAKBグループ総監督)を筆頭に言わば体育会系だったのに対し、乃木坂46は長いスカート衣装の控えめな女の子集団で、文科系女子校のイメージを打ち出しました。
デザイン家の専門誌MdNで乃木坂46の企画を担当した本信光理さんは言います。
10年前、様々な方向性のアイドルがいましたが、そこに乃木坂46が現れて、「あれ?アイドルというジャンルの真ん中にこんな大きな居場所があったのか!」と驚きました。真ん中、すなわち王道と言いますか。その佇まいは上品で、知的で、美しかった。
(『乃木坂46公式書籍 10年の歩き方』KADOKAWA)
乃木坂46ファン以外の人たちの目に触れる場所へ
乃木坂46の特徴的な差別化戦略のひとつとして、アイドル以外の仕事を行っているメンバーが多いことが挙げられます。
白石麻衣さん、西野七瀬さん(共に1期生)、遠藤さくらさん(4期生)など、人気メンバーの多くは乃木坂46在籍中に女性雑誌の専属モデルとして活動しており、これが女性ファンを増やす大きな要因となっています。
また、1期生の生田絵梨花さんは、小さいころから夢であったミュージカルに多数出演していますし、3期生の山下美月さんはNHKの朝ドラを筆頭に数々のドラマに出演、同じく3期生の久保史緒里さんは、舞台や映画をはじめ、こちらも同じくNHKの大河ドラマに出演していますし、オールナイトニッポン(ラジオ)のパーソナリティも務めています。
このように乃木坂46のファン以外の人たちの目に触れる場所で活躍することにより、新たな乃木坂46ファンを作ることに貢献しています。
ライバルの少ない場所
このようにライバルとは異なる場所、競争相手のいない未開の地のことをビジネス界では「ブルーオーシャン」と言われています。乃木坂46はアイドル界のブルーオーシャンで勝負したということです。
反対に競合が林立して飽和状態にあることを「レッドオーシャン」と言い、乃木坂46がデビューした当時のAKB48やモーニング娘などのキャピキャピアイドルの市場が、それにあたります。
可愛いだけで売れるような簡単な世界ではありません。アイドル戦国時代と言われていた中で、このブルーオーシャンを見つけたことが、乃木坂46が成功した要因の一つと言えます。
◆乃木坂46に学ぶ人生で大切なこと◆
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