乃木坂46に学ぶ人生で大切なこと
乃木坂46に学ぶ人生で大切なこと

本を読むということ

人生で大切なこと

小説家デビュー

読書好きとして知られている1期生の高山一実さんが、本に触れたきっかけは意外と遅く高校生の時でした。
中学までは部活が中心で、全く本を読んだことはなかったそうです。
初めて読んだ本は、友人の父親から勧められた湊かなえさんの「告白」でした。

すごく読みやすくて、面白くて、あっという間に時間が過ぎる!ってびっくりして…そこからみんなが部活に行っている時間に図書室に行くようになりました
(NHKラーニング「読書は”最高のエンタメであり、学び” 高山一実さんインタビュー」)

高山さんにとって本は、人生のつらい時期を支えてくれた存在とのことで、

悩みを人に相談するのが苦手で、相談してもなかなかすっきりしない。そんなとき小説が”つらさの麻酔薬”になることが多いです。特に、沼田まほかるさんの本みたいに自分よりつらい人が出てくるものや、あとは頭を使うミステリー。

読書好きが高じて2015年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で「乃木坂活字部」の連載が始まり、大好きな湊かなえ作品の魅力を読者にプレゼンしたり、書店員体験やメンバーを集めての読書会など、若者の読書離れを食い止めるために、本の楽しさを伝えました。

また、2016年からは同雑誌で小説「トラペジウム」の連載が始まりました。
高山さんにとっては短編小説「キャリーオーバー」に続く2作目となる初の長編小説で、後に単行本としても発行され、現役トップアイドルが小説家デビューということだけではなく、アイドルを目指す女の子の10年間にわたる青春物語で、現役アイドルにしか描けない面白さが、大ファンであった湊かなえさんなどからも高い評価を得て、累計発行部数は25万部を超え、乃木坂46において文芸ジャンルを切り拓いたパイオニアとも言えます。

アイドルは努力だけでは成功できない世界。身近な人を大切にすることが大事、というバックメッセージも込めて書きました
(NIKKEIリスキリング「乃木坂46高山一実さん 小説書くアイドルを変えた本」)

 

 

 

国語辞書好き

2期生の鈴木絢音さんは、読書好きの父親と週1回は図書館や書店に連れて行ってくれていた母親のもとに育ち、「書店に行けば一冊は自由に買っていい」というルールがあったことから、小学生の頃から本が身近にあった環境で育ちました。
読む本のジャンルは小説やエッセイなど多岐にわたる鈴木さんですが、冠番組である「乃木坂工事中」の企画では、お勧めの一冊として国語辞典を挙げ、出版社や編纂者によって辞典にも特徴や個性があることをメンバーに熱く語り話題となったことから、2022年に「小説幻冬」において辞書作りに携わる人々と対談する連載が始まりました。
連載では辞書の編纂者、編集者、校正者、印刷会社社員、デザイナーなどの仕事内容や想いを聞き出しており、後にこの連載をまとめた単行本「言葉の海をさまよう」が発売されました。
単行本では、彼女自身がこれまでどのように言葉や辞書と向き合ってきたかなどのエッセイも収録され、出版時期が乃木坂46からの卒業と重なったことからも、彼女のアイドル活動の集大成とも言えるかもしれません。

 

 

 

読書から得た人間性

人とのコミュニケーションが苦手で、小学校時代に不登校も経験している1期生の齋藤飛鳥さんにとって、大人数のグループアイドルは、決して得意な場所ではなかったはずで、そんな彼女にとっての読書は現実から逃れる手段でもあり、メンバーが多くいる楽屋で、ひとり隅っこで本を読んでいる姿が、たびたびドキュメンタリー映像などに映っています。

本当は会話に入りたいけど入れないから手持ち無沙汰になってなんとなく本を開くときもあります。相手が私と接することによって “無駄な時間を過ごしたな“ って一瞬でも感じちゃったら、それはもう申し訳ないから・・。私だったら会話が面白くない人とは一言も話したくないから・・

(乃木坂46齋藤飛鳥、メンバーの会話に入れなくなった意外な理由|クランクイン!)

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私、人とのコミュニケーションがあまり得意ではないんです。でも小説を通してなら、人間の本質みたいなものを見ることができる気がして。太宰作品の中には、人間の根底にあるものが描かれていると思います。

(ダ・ビンチ2023/11)

 

 

『今最も見たい女性』の人生を7つのルールで描き出すフジテレビのドキュメンタリー「セブンルール」に出演した際に、休日に書店へ買い物に行く齋藤さんに密着する場面がありました。

彼女が手に取る本は、どれも暗い物語ばかり。

現実で生きていてモヤモヤすることのほうが多い気がしてて、だから別に本にスッキリを求めていないというか、考えることがすごい好きなので、たぶんモヤモヤして考えたいんでしょうね。ハッピーエンドの本は純粋に楽しめない。ねじ曲がっちゃうんで、私の中で。

として、4つ目のルールとして「ハッピーエンドの本は読まない」を挙げました。

 

そんな彼女ですが、乃木坂46とそのメンバーに対しては、誰よりも愛情を持っていました。
グループからの卒業に際して、冠番組である「乃木坂工事中」において、残る40人のメンバーにキャッチフレーズ(メッセージ)を送るという企画が放映されました。
彼女がメンバーに送ったキャッチフレーズは、いかにも彼女らしく、一見「?」と思う突拍子もない言葉もありましたが、その心はメンバーの深いところまで見据えて的を得ており、大きな愛情を感じるものでした。
多くの後輩メンバーが「飛鳥さんは欲しいときに欲しい言葉をくれる」と話すように、人づきあいが苦手ながらもメンバーのことをよく見ており、後輩メンバーに対しては「頼りになる先輩」として振舞っていたことが伺え、そんなギャップも彼女の魅力と言えます。

齋藤飛鳥さんによる久保史緒里さん(3期生)のキャッチフレーズ 最優秀半透明

すごいいい意味で、愛を持って。なんかいつも久保ってどっかツイてないな、って思てて・・。でも久保って何でもできるんですよ。歌もダンスもお芝居も何でもできるから、だからなんかあの人が本領発揮しちゃったら私たちには眩しすぎちゃうから、わざと抑えられてるんだろうなって。なんだろう、全部半分って感じ。全人類がもらえる幸せも半分までしかあげません、みたいな。でも半透明界ではぶっちぎりでカワイイし、ぶっちぎりで才能あると思うから、最優秀です。

(「乃木坂工事中」#389「31stシングル ヒット祈願 前編」2022.12.04OA)

(【公式】「乃木坂工事中」#389「31stシングル ヒット祈願 前編」2022.12.04OA)

 

小学校時代には不登校を経験し、中学1年時から乃木坂46として活動を始めている彼女は、学校で勉強する時間は多くはなかったハズで、「乃木坂工事中」における早押しクイズでは「人間のからだ全体に網の目のように広がるごく細い血管を何血管という?」という問いに「焼肉」(本人曰く「網の目」から連想した)と答えるなど、失礼かもしれませんが、いわゆる学校のお勉強に関しては決して出来るほうではありませんが、他のメンバーやアイドルとは一線を画す人間性を身につけており、その発言やインタビュー記事を見ていると、使う言葉であったり、物事の本質的な部分を捉えているような力は、間違いなく読書から得られているものだと思います。

 

本を読むということ

どんな本を読むかで人生は変わります。ビジネス誌「プレジデント」(2016年7月号)では、年収が高い人ほど読書に時間をかける傾向があるという調査結果を報告しています。ビジネスで成功をつかむには、本で先人の知恵を参考にすることが大切だということです。
人生において何か悩んでいる時には、ゼロから自分で考えるより、本で先人の知恵を学べば早く解決できる可能性が高まります。
読書は「著者との対話」であり、著者の思考に触れることにより、自分以外の視点で考えられるようになります。本を多く読んだ人は、多くの視点を持っているということです。

また、読書には、メタ認知能力を高める効果もあります。
メタ認知能力とは自身の状態を客観的に把握する能力で、特に小説は人物の心理や出来事が第3者的な視点で書かれているため、客観的に物事を把握する能力が鍛えられます。

トップアイドルである乃木坂46のメンバーは、ひとたびメディアに出れば、その一挙手一投足についてSNS等で批評され、当然、好意的なものばかりではありません。自分の言動を批判されれば誰もが傷つきますし悩みます。
しかし、そんな時にでもメタ認知能力が高ければ、批判に対しても客観的な視点で冷静に向き合ったり、「こんな風に思う人もいるんだ」という程度で無視をすることもできます。

読書が好きなメンバーを見ていると、読書をすることが直接的な仕事につながる可能性があるということだけではなく、その人間形成に大きく影響を与えているという読書の力を感じます。

 

◆乃木坂46に学ぶ人生で大切なこと◆

読書は力

 

 

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