戦略的に休む

休むことは悪いこと？

乃木坂46というトップグループのメンバーとして活動することが、どれほど体や心に負担をかけるのかは、ファンにはわからない部分も多いと思います。
我々が目にすることができるメンバーのスケジュールから、表に出ている部分だけではなく、そのために必要な準備なども含めると「大丈夫だろうか」と思うほど、ハードなスケジュールをこなしているメンバーもいます。
また、トップアイドルであるがゆえに、ひとたびメディアなどに出れば、その一挙手一投足についてSNS等で批評され、好意的なものばかりではありませんので、心を壊してしまうこともあるでしょう。

コロナ過を経て、だいぶ意識が変わってきたように感じますが、まだまだ「仕事を休むこと＝悪」と考える人も多いように思います。しかし、無理をして体や心を壊してしまう前に、戦略的に休むことも時には必要です。

久保史緒里さんの休業

乃木坂46にも、これまでに一時的に休業するメンバーがいました。

3期生の久保史緒里さんは、体調不良を理由に2018年7月からの「乃木坂46 真夏の全国ツアー2018」の全公演の欠席と2018年8月に発売する21stシングル「ジコチューでいこう！」の活動を控えることを発表しました。

休業発表後の自身のブログで久保さんは、

リハーサルやレッスンに参加できないことで、周囲に迷惑をかけることはもちろん、自分自身今よりも前に進むことは望めないという結論に至ったため、非常に悩みましたが、この先も乃木坂46としてずっと活動を続けていくために、今は、活動のペースを少し緩めて、自分にできることを、少しずつやっていきたいと思っています。

と書いています。

久保さんは、後の2023年7月にファースト写真集「交差点」を発売した際のインタビューで「自身の乃木坂46の活動における分岐点は？」という質問に、2018年に一時休業したことを挙げました。

3期生として加入してから2年弱だった当時、物事がうまく前に進まない感覚をリセットさせるために休業を決断しました。

みんなに迷惑をかけてしまったと悩んでいたんですが、先輩たちが「よくその道を選んでくれたね」と言ってくれて、すごく救われました。あの選択がなかったら、今グループにいないんじゃないかと思います。
（久保史緒里が“五感”で写真集撮影を振り返る　乃木坂46の活動における分岐点とは／音楽ナタリー）

リンク

山下美月さんの休業

3期生の山下美月さんは、スケジュール過多により体調面を考慮するため2019年4月13日に公式ブログで23枚目のシングル（Sing Out!）の活動を休止することを発表しました。
当時、山下さんは乃木坂46での活動に加え、テレビ東京系ドラマ「電影少女－VIDEO GIRL MAI 2019－」に主演として出演していました。

休業を伝えるブログで、

ドラマ撮影と体調不良が重なってしまい思うように乃木坂46としての活動ができていない現状をとても悔しく思います。ファンの皆様にご心配をおかけしてしまって不甲斐ない気持ちでいっぱいです。本当にごめんなさい。
先日の握手会で23枚目シングルの発表が行われました。ですが、ドラマ撮影が進んでいく中で、選抜発表、ジャケット撮影、ＭＶ撮影、レコーディングなどの制作活動と両立することが難しい状況が続いており、スタッフさんと話し合った結果、23枚目シングルの活動をお休みさせていただくことになりました。

と書いています。

リンク

後に出演した日本テレビ系「おしゃれクリップ」（2021年11月28日放送）では、2019年4月から約2か月間の休養期間中に芸能界引退を考えていたことを明かしました。

みんなが頑張ってるのに、ひとりだけグループの活動をお休みするっていう選択が自分自身許せなくって「グループを休むくらいなら引退します！」って

と思い詰めてしまったそうです。

しかし当時を振り返った山下さんは、活動休止期間を

プラスになった期間だったなと思って。その時の悔しさとかいろんな考えがあったから、一つ成長だなと思います。

と前向きに捉えていることを明かしました。