過去の過ち

若月佑美さんのスキャンダル

乃木坂46初のスキャンダルとなったのは、結成から数か月後の2011年12月、1期生の若月佑美さんが加入前に付き合っていたとされる男性とキスをしているプリクラ画像の流出でした。

過去にはAKB48において、男性とのツーショットプリクラが流出したメンバーが解雇された事例などもあり、乃木坂46の運営がどのような判断をするのか注目が集まる中、

乃木坂46に加入する以前の行動については、原則、犯罪行為を除いて不問

という、後に乃木坂46のスキャンダルに対するスタンダードとなる指針を発表しました。
ただし、この時、若月佑美さんは約1か月の活動自粛を行いました。

 

中西アルノさんのスキャンダル

日本のグループアイドルの単独オーディションで史上最多となる応募人数87,852名から選ばれた5期生11名のひとりである中西アルノさんは、2022年2月に活動を開始し、3月23日発売の29枚目シングル「Actually…」で乃木坂46史上最短でセンターに抜てきされましたが、そのシングルの発売前である活動約1か月にして一時活動の自粛が発表されました。

中西さんに限らず、グループ加入発表直後にネット上で“粗探し”が始まるのは常ですが、乃木坂46の新人となれば注目度はより高く、ファンに限らずあらゆる人や記者などが躍起になって過去の行動やアカウントを掘り出し、真偽不明のものも含めて様々な情報が出回ります。

そこで出てきたのが中西さんに関するあらゆる疑惑で、主なものとしては以下の3点です。

①パパ活疑惑
②発表前の乃木坂46に関する情報リーク疑惑
③SNSでの不適切発言

 

まずひとつ目は中西さんがパパ活をしていたのではないかというもの。

中西さんは加入前に個人で被写体モデルをしており、そのことがパパ活の噂につながりました。
被写体モデル自体は、さほど問題ないとは思いますが、例えば、男性カメラマンと二人きりで密室などで撮影をしていたり、金銭をもらって食事などに行っていたとなると、少し話は違ってきます。
実際に中西さんに被写体を依頼した男性に文春オンラインが取材をしています。

お金は先払いで、カフェに入ってすぐ2時間分の現金6000円を渡しました。30～40分程カフェでしゃべってからゲーセンへ移動して写真を何枚か撮り、その後は「安安」で焼肉を食べました。その日はきっちり2時間で解散したと思います。

他にも真偽はかなり怪しいですが「ぱぱ活募集してる」「おこじゅかいくれたらエッチなことするかも」「使用済みのぱんついる？」などの中西さんの裏アカでのTwitter投稿とされるもの出てきました。

これらに関して活動自粛発表（文章）時の運営のコメントでは、

画像を使用してあたかも本人であるかのように捏造し、事実と異なる発言をしているものも存在しております。

と“成り済まし”アカウントの存在を示唆しています。

 

２つめは乃木坂46に関する情報のリーク疑惑です。

被写体モデル時に中西さんと親しくしていたとされるカメラマンのSNSアカウントに、中西さんが乃木坂46に加入することや29枚目シングルのセンターを務めることなどをほのめかす内容が投稿されていました。
中西さんがこのカメラマンに情報を流していたとすると問題です。

これに対し

自分の合否ないし内部情報を漏洩した事実はありません

と活動自粛発表（文章）時に彼女はコメントしています。

 

３つめは中西さんが過去にSNSで不適切な発言をしていたというもの。

その発言とされるのは、
「植物人間って光合成すんの？」
「子供はわりと好きだけど犬のお巡りさん歌ってる子供は馬乗りになって殴りたい」
「空港に乃木坂の子達いたけど、普通の子すぎて別の男性アイドルの出待ちの女の子たちかとおもった」

などで、これらに関して活動自粛発表（文章）時の本人のコメントでは、

SNSでは、日々の生活の鬱憤を吐き出すことで心身のバランスを保とうとしていました。今顧みると、ひどい投稿が多く、本当に悔恨に苛まれます。

とありますので、事実なのかもしれません。

 

運営の対応

これらの多くは「疑惑」ではあるものの、乃木坂46のイメージダウンになったことは間違いなく、ネットでは大炎上となり「辞めさせろ」「脱退やむなし」などのような厳しい声も多く出ました。
しかし、中西さんは間もなく発売されるニューシングル「Actually…」のセンターであり、ジャケット写真やMVなども撮影済みであることなどから、事は簡単ではありませんでした。

当初は静観していた乃木坂46運営でしたが、ネット上では様々な憶測が飛び交い、中西さんへの誹謗中傷が増えるなど収まる気配のない状況に対応せざるを得なくなり、公式サイトで

中西アルノに関しまして、SNS上にて様々な憶測や、投稿が飛び交っている状況をうけ、本人に事実確認を行ったところ、一部の発言に関して本人のものであることが確認できました。ただし、青少年の健全な育成に反するような行為や、それを連想させるSNSでの発言は本人によるものではございませんでした。

そしてここでも

当社では、加入以前の行動に関しては法律に反すること以外は不問としております。

との指針から、解雇などの処分は行わない判断をしました。ただし、

今回の件に関しては、本人の保護と育成の為、一定期間本人の活動を自粛することにいたしました。

と、若月さんの時と同様に活動を自粛することを報告しました。

これにより、すでに撮り終えていたMVは、1期生の齋藤飛鳥さんと3期生の山下美月さんのWセンターの体制で撮り直しを行い、CD発売の3日前に公式YouTubeで公開され、中西アルノさんがセンターのMVはCDの特典映像として収録されました。
ちなみにこのMVは約20分のドラマ仕立てになっており、中西アルノさんが加入することによって乃木坂46が変わってしまうのではないかと不安に思う山下美月さんに対し、「変化は受け入れなければならない」と齋藤飛鳥さんが諭すというような、奇しくも現実とのリンクを感じさせる内容となっています。

乃木坂46の顔ともいえる「センターのメンバー」を新曲の発売日を待たず自粛させるのは苦渋の決断だったとは思います。しかし、加入間もないメンバーをセンターに起用し話題性を狙ったのだと思いますが、中西アルノさんがセンターになったことにより「注目度が増したこと」が今回の騒動が大きくなった一因でもあります。

 

こうして世間からの逆風を受けていた中西アルノさんですが、2022年4月に行われた2回目の5期生お見立て会で活動を再開しました。

復帰を報告する自身のブログで

支えてくれた同期、励ましてくれた先輩方、愛をもって導いてくれたスタッフの方々、何よりこんな状況にも関わらず心配し励まし応援してくださったファンの皆さんの存在こそが、私を支えてくれました。本当にありがとうございます。これから全力でお返しが出来る様に頑張っていきたいと決意をあらたにしています。

 

復帰に当たっては、恐怖心も大いにあったと思います。

2022年5月に行われたデビュー10周年を祝うバースデーライブでは「Actually…」を披露する直前に中西さんは泣きながら

と言うと、1期生の齋藤飛鳥さんは

と力強く励ましました。

 

中西さんは、2023年1月の成人式でのインタビューで、斎藤さんについて、

また、キャプテンで1期生の秋元真夏さんは、乃木坂46公式YouTubeの配信で、撮り直したMVについて語る場面があり、

とコメントし、中西さんに対しては

と述べました。

他にも、副キャプテンで3期生の梅澤美波さんは、レギュラー出演していた朝の情報番組で

とコメントしており、これらからもメンバーが中西さんに寄り添ってフォローをしつつ、前向きに取り組んでいることが伺えます。

 

中西さんは、現在では、歌唱力の高さを始め、その親しみやすい言動や独特の雰囲気などが認知され始め、次第に人気を高めています。
この状況を運営が予測していたのかどうかはわかりませんが、過去の過ちに対して「罰を与える」というよりも「反省を促し公正させる」ことで成長を見守る姿勢は、中西さんが楽しそうに活動している姿を見ると、正しい判断だったのかもしれません。

まだまだ未成熟な少女たちですから、過ちを犯すこともあり得ますが、乃木坂46の運営は「加入前の行動に関しては法律に触れるもの以外は基本的に不問」という指針を貫いています。
過去に過ちを犯したものを切り捨ててしまうことは簡単ですが、メンバーとして採用した以上は、きちんと成長を促すという意思が感じられます。

 

◆乃木坂46に学ぶ人生で大切なこと◆

 

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