音大進学の夢
1期生の生田絵梨花さんは、4歳からピアノを習い始め、6歳の時に見たミュージカル「アニー」の影響でミュージカル女優に憧れを持つようになりました。
そこからミュージカルのオーディションを受け、何度か舞台に出演したこともありましたが、オーディションに落選することも多かったそうです。
そんな中で、中学3年生の時に「ソニーミュージックが新しいグループのメンバーを募集します」というオーディション募集を見て「ステージで歌い踊ること」というアイドルとミュージカルとの共通点を見い出し、乃木坂46のオーディションに応募し合格しました。
デビューシングルからフロントメンバーに選ばれるなど活躍し、忙しい日々を過ごしている中でしたが、高校3年生となり音大進学の夢もあきらめられませんでした。
音大に進学するには、学力面での勉強はもちろん、実技に関しても普段から相当な時間を使って練習をしないと合格できませんが、乃木坂46の選抜メンバーとして活動する生田さんには、絶対的にピアノの練習時間が足りていませんでした。そして、アイドル活動と受験勉強の両立は無理だと思い始め「乃木坂46を辞める」選択肢も浮かんでいました。
「両立」することを決断
生田さんは、乃木坂46の活動の中で、これまで何度かピアノ演奏を披露してきました。何千人もの人の前でピアノを演奏することや、他の楽器とのアンサンブルをする機会というのは、プロのピアニストでも多くはありません。そんな経験ができたのは乃木坂46だからこそ、と考えた生田さんは、アイドル活動と音大受験を「両立」することを選びました。
とは言え、さすがに受験直前期は受験に集中する必要があると判断し、2014年4月にパシフィコ横浜で行われた個別握手会で、大学進学の準備期間として9thシングルへの不参加と6月からの活動休止が発表されました。
しかし、この休業中にミュージカル「虹のプレリュード」主演のオファーがありました。
劇の公開は受験終了後ではあるものの、稽古は受験前から始めることになります。さらに劇中にピアノを演奏するシーンもあり、その練習も必要になります。ミュージカルへの出演は、生田さんの夢でもありました。
いっぱい考えました。でもここは譲れないって。もう、自分を苦しめよう。『全部やってやろう!』って決めたんです。
(集英社「乃木坂46物語」)
受験勉強と舞台の稽古で睡眠時間は平均3時間、頑張る彼女に音大受験の自由曲と、舞台「虹のプレリュード」で演奏する曲が、偶然にもどちらもショパンの「革命」という神様からのプレゼントもあり、見事音大合格を果たしました。
乃木坂46の活動と音大受験、どちらもあきらめずに、とてつもない努力を重ねた生田さんは、10枚目シングルで乃木坂46への復帰を果たしました。曲のタイトルは「何度目の青空か?」、ポジションはセンターでした。
その後も「ロミオ&ジュリエット」や「レ・ミゼラブル」など、名だたるミュージカルに出演し、乃木坂46を卒業した今でもミュージカルをはじめ、ドラマなどでも活躍しています。
◆乃木坂46に学ぶ人生で大切なこと◆
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